埼玉県嵐山町にあります「鬼鎮神社 ( きぢんじんじゃ ) 」を紹介しましょう。
主祭神は
衝立船戸神 ( つきたつくなどのかみ )
創建は、1182年。
全国に4例しかない、鬼を祀る神社です。
この神社の節分祭では、「福は内、鬼は内、悪魔外」と言って、豆をまきます。
ここでは、鬼が守り神だからですね。
学校の先生なら、「悪魔を差別してはいけない。悪魔内と言いなさい」、というかも知れません。
それはともかくとして、この神社には悲しい伝説があります。
鍛冶屋に弟子入りして刀作りを学んだ青年が、鍛冶屋の娘を好きになり、嫁に欲しいと師匠に申し出ました。
師匠は、明日までに百本の刀を作ったら、と条件を出したのです。
彼は、打ちました。
師匠が覗くと、炎の中で、頭に角を生やして、必死の形相で刀を打つ「鬼」の姿があったのです。
そして、朝になり、99本の刀を仕上げたかれは、力尽きて死んでいました。
「鬼」ではあっても、邪気ではないのです、ここの鬼は。