夏越の大祓に向けて、神社の境内に「茅の輪 ( ちのわ ) 」が設置されます。
これは、茅を編んで作った、直径2メートルから3メートルほどの輪です。
設置される時期は神社によって違っていて、早いところでは六月に入った頃、遅いところでも夏至が過ぎる頃には設置されます。
設置が遅いところでは、大祓神事が終わった後も、しばらく残してあります。
私たちは、茅の輪をくぐることで、罪穢れを祓っていただけます。
人形 ( ひとがた ) と合わせれば、効果が倍増します。
茅の輪をくぐるときの作法は、茅の輪の横に説明した看板が立っていますから、参照してください。
通常、三回くぐります。
くぐる時に、次に示す和歌を唱えるとよろしいでしょう。
「水無月の 夏越しの祓 する人は 千歳の命 延ぶといふなり」
「思ふこと みなつきねとて 麻の葉を 切りに切りても 祓ひつるかな」
「宮川の 清き流れに 禊せば 祈れることの 叶わぬはなし」
三つも覚えられないという方は、一つ目だけでも覚えてください。
現地で忘れてしまったときは、「祓えたまへ、清めたまへ」だけでも構いません。
あるいは、茅の輪の起源となった人物の名前「蘇民将来 ( そみんしょうらい ) 」を繰り返してもいいでしょう。
SNSに投稿して自慢するためとか、お守りにとか、記念にとかの理由で、茅の輪を千切って持ち帰る人がいるようです。
これは、絶対にしてはいけません。
茅の輪には、くぐった人の罪穢れや邪気が、たっぷり吸い込まれています。
そんなものを持ち帰ったら、どんな不幸・不運がやってくるか、考えるだけでも恐ろしいです。
茅の輪に触れたくらいなら大丈夫ですが、千切って持って帰ってはいけません。
どうしても欲しい方は、この時期限定の茅の輪型御守りを授かることができる神社があります。
興味のある方は、探してみてください。