大抵の日本人は、受け取ることが下手です。
あなたが誰かにプレゼントをあげた時、両手を上げて大喜びして受け取ってくれる人は、いますか。
子供なら、全身で喜びを表します。
ところが大人は、遠慮がちに受け取ります。
申し訳ないという気持ちから、「ありがとう」ではなく「すいません・すみません」と言います。
差し出されたものが現金となると、拒否してしまうこともあります。
渡す側は、相手を哀れんで恵んでやっているのではありません。
助けてくれたことの謝礼として、いくばくかの現金を包んでいるのです。
あなたは、誰かを助けてあげたとき、お礼にと現金を手渡されたら、喜んで受け取ることができますか。
出来事があった後日、謝礼に訪れた人が現金と手土産を持ってきたとしたら、手土産だけ受け取るようなことを、していませんか。
私も、以前はそうでした。
お金を受け取ることが、相手に損をさせているように思えたのです。
これは、間違った考え方です。
ゼロサムでは、ないのです。
現金だけに注目すると、誰かの利益は誰かの損失であり、相殺されます。
人間関係は、お金だけではありません。
お金を渡す側は、謝礼をすることで精神的な負い目が軽減されます。
また、喜んで受け取ってもらえたら、嬉しいものです。
頑なに拒否されると、借りを作ったみたいな気になることもあります。
遠慮しがちな方は、今後は、差し出されたものを喜んで受け取りましょう。
少し大袈裟かなと思うくらい、喜びを態度で表し、必ず「ありがとう」の言葉で受け取るのです。
絶対に「すいません」と言わない決心をしてください。
口癖になってしまっている方は、固く決心していないと、「すいません」が出てきます。
さて、差し出されたものが、いつも好ましいものばかりだとは限りません。
無理難題や厄介なことの場合もあります。
それもまた、「全部受け取る」と決心して、受け取ります。
来るものを全て受け取るようにしていれば、分不相応と思える僥倖が突然やってきた時、躊躇せずに受け取ることができます。
ビッグチャンスが来たときに、必ず受け取るための練習です。