現在、桜前線北上中の日本列島ては、毎日、どこかで花見が楽しまれています。
週末には、大賑わいです。
桜は美しいだけでなく、パッと咲いてパッと散る潔さが、日本人の心に受けるのでしょう。
カリフォルニアでは、同じ桜の仲間であるアーモンドの花が桜並木と同じように満開になりますが、誰も花見なんてしません。
さて、木花開耶姫 (木花咲夜姫・木花之佐久夜毘売 ) の木花は、桜の花のことです。
古事記によると、
天孫・邇邇芸命 ( ににぎのみこと ) が木花開耶姫に出会って一目惚れ、そしてプロポーズしました。
自分では決められないと、木花開耶姫は父親の大山祇大神に相談しました。
大山祇大神は、木花開耶姫に姉の石長姫 ( いわながひめ ) を添えて嫁がせました。
ところが、石長姫が醜かったため、邇邇芸命は木花開耶姫だけを貰い受け、石長姫を返してしまいました。
石長姫は、石の如くいつまでも変わらずにいられる、つまり、永遠の命を表します。
それを返してしまったので、邇邇芸命の子孫は木の花の栄えるように栄えるけれど、命を長らえることができなくなりました。
それにしても、ひどい仕打ちです。
石長姫は、ショックだったでしょう。
まさかの仕打ちに、父・大山祇大神は、大いに恥じたと古事記にはあります。
「心が綺麗なら、見た目なんて関係ない」というのは、神世の時代から嘘なんですね。
男神は、美しい女神を好み、ブサイクなのは嫌なのです。
「人は見た目が9割」という本がありますが、神様も見た目が9割なのでしょう。
それはともかくとして。
この時期だけの美しい桜の花を、存分に楽しみましょう。