大浴場でも、自宅の風呂でも構いませんが、風呂に入っているとき、水を引き寄せると、脇の方から逃げていきます。
逆に、向こうへ押し出すと、横から入ってきます。
これと同じように、誰かに何かをしてあげたら、どこからか必ず返ってきます。
これは一般に、「二宮尊徳の風呂の湯の哲学」と呼ばれているものです。
幸せになりたいのなら、誰かを幸せにしてあげればいいのです。
いわゆる、徳積みです。
これは、小さなもので構いません。
お年寄りの荷物を持ってあげるとか、電車で席を譲ってあげるとか。
誰かと目があったときに微笑んであげることも、徳になります。
優しい眼差しを投げかけることすら、徳積みです。
一回で積める徳分は僅かでしょうけれど、コツコツと積み上げれば、大きな徳分になります。
持っている徳が大きい人は、最初から大きな徳を積むことができます。
イベルメクチンを発見した大村智博士は、特許を取りませんでした。
優秀な頭脳を持って生まれ、研究環境に恵まれた大村博士は、とても大きな徳分を持って生まれてきたのでしょう。
それで今世は、とてつもない量の徳を積まれています。
特許を取らなかったおかげで、貧しい何億人もの人が救われています。
自分ができる布施の質や量で、持っている徳分を推し量ることができます。
今、その気になれば沢山積めるという方は、どんどん徳を積んで、残りの人生と、あの世と、来世の幸せを確保してください。
徳積みがしにくい方は、持っている徳分が乏しいことを自覚して、無罪の七施を徹底的に行ってください。
無理のない範囲で他者に施せば、徳が積め、やがて自分の幸せとして返ってきます。
くれくれ星人になってしまっていたなら、「風呂の湯の哲学」を思い出してください。