木花開耶姫について解説したので、姉神・石長姫を取り上げましょう。
まず、静岡県賀茂郡にあります「雲見浅間 ( くもみせんげん ) 神社」を紹介します。
磐長姫 ( 石長姫 いわながひめ ) のみをお祀りする、全国でも珍しい神社です。
創建はいつなのか、定かではありません。
この神社は、富士山の真南、伊豆半島西端にある烏帽子山山頂に鎮座しています。
山頂といっても、標高162メートルです。
邇邇芸命 ( ににぎのみこと )に嫌われた石長姫は、それを恥じて雲見に隠れてしまいました。
日本の神話で「隠れる」は、死を意味しますが、実のところどうなのでしょう。
また、返されたときには、邇邇芸命の子を孕んでいたという伝説もあります。
これが本当なら、やるだけやって捨てる邇邇芸命は、とんでもない神様だと言えます。
さて、石長姫の御神徳は健康長寿です。
さらに、子孫繁栄や事業の永続などもあります。
末長く続く事を祈願すると良いでしょう。
なお、烏帽子山からは富士山がよく見えます。
でも、そこでは決して富士山を褒めないでください。
褒めたら最後、海に落とされるとの言い伝えがあります。
「そんなの迷信に決まっている」と、試してはいけません。
眷属の逆鱗に触れて、戒められることになりますから。
海に落とされることはないと思いますが、女神は恐ろしいということを、忘れてはいけません。