他人に対してへりくだった態度を取りながら、心の中では思い上がっている状態を「卑下慢 ( ひげまん ) 」 と言います。
あなたが何かで勝利したり、成功したりした時、誰かが褒めてくれたとしましょう。
その時、「たまたま、運が良かっただけですよ。」 と、謙遜することは、よくあると思います。
それに対して相手が、「そうですね、運が良かっただけですよね。」 と同意したら、腹が立つでしょう。
心の底で、自分にはその力があったのだと思っているからです。
これが、卑下慢です。
多かれ少なかれ、誰にも、この傾向はあるでしょう。
そうならないためには、相手が称賛する言葉を「受け取る」 ことが大事です。
褒めてくれたなら、「ありがとう」 と言って受け取りましょう。
日本人は、受け取ることが下手な人が多いようです。
前にも書きましたが、誰かが必要なものを与えてくれた時、手を差し伸べてくれた時、断ってしまう人が、多いのです。
必要なのに、欲しい物なのに、断ってしまう。
本田健さんは、「分不相応なものを差し出されても、受け取りなさい」 と仰っています。
心の中で、「受け取ります、受け取ります、受け取ります」と、3回呟くようにしていると、受け取れるようになります。
相手は、あなたがそれを受け取る価値がある人だから、与えてくれているのです。
また、受け取る時に「ありがとう」 ではなく、「すいません」 という人が多いようです。
「すいません、すみません」 は、相手を煩わせて申し訳ないという謝罪です。
そこに、感謝の気持ちはありません。
自分には、それを受け取る価値がないと、卑下しているわけです。
表面上は。
これも、卑下慢です。
それに気付けば、やめることができます。
与えられたものは感謝で受け取り、そして自分もまた、気前よく与えられる人になりましょう。